「作(ざく)」を飲むたびに、思うことがあります。
このクリアさは、何から来るのだろう、と。華やかな香りと、水のように澄んだ口当たり。飲み飽きない、でも確かに記憶に残る一杯。
三重県が生んだこの銘柄は、今や海外にも名前が届くほどの日本酒になりました。
日本酒王子こと近藤悠一が、その醸造元「清水清三郎商店」を訪問しました。蔵を案内していただきながら見えてきたのは、フレッシュさを守るための、地道で、誠実な執念でした。
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近鉄で行ける、モダンな蔵
清水清三郎商店とは

「作(ざく)」といえば、日本酒好きなら知らない人はいないほどの人気銘柄。その醸造元・清水清三郎商店は、創業1869年、三重・鈴鹿に残る唯一の酒蔵です。G7伊勢志摩サミットの乾杯酒に選ばれた「智」、SAKE COMPETITIONで2年連続日本一を獲得した「穂乃智」「恵乃智」など、国内外の評価を着実に積み上げてきた蔵元。2019年には世界酒蔵ランキングで第一位をに輝きました。鈴鹿山脈の伏流水と地元契約農家の酒米を使い、小規模仕込みで丁寧に醸す。現代の食卓に寄り添う軽やかな酒質が人気の蔵です。
清水清三郎商店があるのは三重県鈴鹿市。近鉄名古屋駅から電車で向かえる距離にあります。
蔵に着いてまず目に入るのは、まだ真新しい建物。
コロナ禍の期間を使って建てられたというそれは、外観こそシャープで現代的ですが、中に入ると印象が変わります。

木が多用され、光の入り方が柔らかく、随所に水と米など——伝統時な日本の建築を感じさせます。
新しいのに、落ち着く。その理由が、建物の先に続く見学でだんだん分かってきます。
「熱酒充填」をやめたことで

最初に案内されたのは、瓶詰めされたお酒がベルトコンベアで運ばれていく様子。
日本酒の瓶詰めには、業界で長く使われてきた方法があります。「熱酒充填(ねっしゅじゅうてん)」——火入れ(加熱処理)をしたお酒を、熱い状態のまま瓶に詰める方法です。
「熱酒充填といって、そのまま熱いままで入れちゃうというのが割と普通です。65℃とかそのあたりで。」(清水社長)
ただ、問題があります。熱いまま瓶に入れると、お酒はなかなか冷めません。その間も熱はかかり続ける。
「熱がかかっているということによって、お酒の味わいにダメージがあるんですね。」と清水社長は続けます。

実は、「作」が持つフレッシュさは、この「熱のダメージ」の問題と、真正面から向き合った結果でした。
清水清三郎商店がとった答えは、火入れ後に約20℃まで一気に冷やしてから瓶詰めをする、というもの。
「熱がかかっている時間が短いので、お酒にかかる熱のダメージが少ない。」
シンプルな論理ですが、実行するには次の問題が立ちはだかります。
充填室をクリーンルームにする、という答え

熱酒充填では、熱そのものが雑菌を殺す役割も担っています。しかし、冷ましてから詰めると、その効果がなくなる。社長の言葉を借りれば「瓶の中が殺菌されない」状態になるわけです。
この問題を、清水清三郎商店は設備で解決しました。充填室そのものをクリーンルーム化する、という方法で。
これにより、熱によるダメージを減らしたことが、作が火入れでもフレッシュに感じる理由でした。
科学と手仕事が同居する蔵

蔵の中には、クリーンルームだけではなく、最先端の研究室を思わせる「内山ラボ」という利き酒室や、ステンレス製の器具を使用するなど、最新の設備を揃えています。

その一方で、麹米の洗米は今も手作業で、10キロずつ袋に入れ、1分洗い、所定の水分量になるまで管理している。
科学と手仕事が、同じ建物の中に共存していました。
この蔵の酒を、自分の食卓で開けてみたくなった方へ。
次に「作」を飲むときに思い出してほしいこと

「作」のフレッシュさは、偶然の産物ではありません。
熱のダメージを最小化するための低い温度での瓶詰め。それを成立させるためのクリーンルーム。麹の温度の細やかな管理。それらすべてが、「瓶を開けた瞬間の香りや味わいの綺麗さ」のために設計されています。
香港など海外への輸出が広がっているのも、この品質管理への信頼があるからでしょう。
次に「作」や「鈴鹿川」を口にするとき、ほんの少しだけ、あのクリーンルームを思い出してみてください。フレッシュさの意味が、少し変わるはずです。
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