創業から130年以上にわたり盃や器にちなんだ事業を続ける、株式会社丸モ高木陶器の5代目代表である、髙木正治さんを今回取材させていただきました。
髙木さんがプロデュースした温度で変わる器は、今では国内外から注目される一大ビジネスに成長しています。
本記事では、そんな画期的な酒器のご紹介をはじめ、美濃焼の魅力や、新しい日本酒の楽しみ方をご紹介していきます。
髙木 正治さんのプロフィール
株式会社丸モ高木陶器 代表取締役社長。1973年岐阜県多治見市出身。
家業である丸モ高木陶器の営業部長として、2013年より、名産“美濃焼(みのやき)”の魅力を世界中に広めるべく、日本国内外を飛び回る。
また、代表取締役社長に就任後の2019年に発表した、”温度をデザインに”のコンセプト食器を始め、新しい事業に次々取り組み続けている。
温度で表情が変わる器で、業界に革新を
「器をもっともっと変化させて、イノベーションを起こしたい」
100年以上続く家業を継いだ髙木さんの頭には常にこういった強い想いがあったそうです。
そんな中で試行錯誤した結果、生まれたのが、「温度をデザイン」をコンセプトにした器。
「もしも器の温度を可視化できたら、焼き物を進化させられるのではないかと考えました」
温度に反応するフィルムを用いて、満開の桜を咲かせたり、大玉の花火を打ち上げるなど、エンターテイメント性に溢れるユニークな器の開発に成功した髙木さん。
器を使う人の「感情を動かす」
当初はお燗酒で楽しむ器としてリリースされた温感商品でしたが、今では冷酒、スパークリングをはじめ、盃以外にもグラスやカップなどあらゆるシーンで使える商品展開へと発展しています。
言葉が通じない相手とでも、目で見て楽しむことができるのがこの器の強みの一つ。
「昨今の特徴として、瞬間的に楽しむコンテンツが重要視されています。だから、長々と説明するのではなく、瞬発的に楽しめることを大事にして開発したんです」
日本の美濃焼を、世界のミノヤキへ
そもそも丸モ高木陶器が手掛ける「美濃焼」とは、土岐市・多治見市・笠原町・瑞浪市などで製作されている陶磁器の総称。
髙木さん曰く、国内の外食産業で使われている食器の約60〜70%は美濃焼というほど、圧倒的なシェアを占めているというから驚きです。
大量生産にも適している一方で、山田晋一朗、宮下 将太、東金 聖など個性的な作家のルーツは美濃焼という、本当に幅が広い焼き物。
そんな美濃焼を世界に広めることも、髙木さんの想い描く大きなミッションの一つ。
「もともと温感の器も全世界の日本大使館で使ってもらえることを狙って開発しました。今はとりわけ中国で、日本の器としての美濃焼の存在感がかなり高まっていますね。」
10年以上前から世界のマーケット開拓に挑まれていた髙木さんは、熱くそう教えてくれました。
髙木さんにおすすめの一本:「伯楽星 純米吟醸」
酒器を生業とする髙木さんですが、日本酒が大好きということで、今回も当店・零下で取り扱いのある個性豊かな日本酒の中からおすすめの一本をご紹介することに。
「辛口の食中酒がいいですね。お造りや焼き物に合わせやすいお酒を紹介してください」
そんな髙木さんのリクエストにぴったりなお酒は、零下でも大人気、新澤醸造店(宮城県)の醸す「伯楽星 純米吟醸」。
お酒自体のインパクトは少ないながら、特にお魚料理と冷酒で合わせていただくことで、食材の旨味が広がり、食事と盃がどんどん進むこと間違いなしの日本酒です。
「伯楽星 純米吟醸」が気になる、という方はこちらの詳細をチェックしてみてください。
最後に
私たちの生活と切っても切れない器と言っても過言ではない、美濃焼。
コロナをきっかけに、改めて美しい美濃焼を購入して自宅でのお食事やお酒を楽しむ方も増えているのだそう。
和食、日本酒の人気が世界でも高まる昨今、日本の美濃焼がさらに世界の器として広がっていくのがとても楽しみです。
丸モ高木陶器の温度で色が変わる器は、公式オンラインショップでお買い求めいただけますので、そちらもあわせてチェックしてみてください。