本記事の見どころ
- 世界トップクラスの蔵元「新澤醸造店」の造りの裏側を特別見学
- 伯楽星や零響といった世界一の食中酒を生みだす秘密
- 零下 -REIKA- の最上位ランク「秘密の零下さん」だけの特別な体験
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世界一の食中酒を生む蔵へ、「秘密の零下さん」とご一緒に。

10月21日、私たちは宮城県の新澤醸造店 川崎蔵にいました。
今日は、零下 -REIKA- の会員ランクの中で最も特別なランク「秘密の零下さん」の鈴木様(仮名)と一緒に、蔵見学にお邪魔しに来たのです。
実際に日本酒を造っている川崎蔵(柴田郡川崎町)から始まり、大崎市三本木のクラフトジン蒸留所や精米所まで、新澤醸造店の造りの裏側や挑戦の数々を巡る一日がはじまります。
※宮城の素材でつくるクラフトジン「欅」の詳しいストーリーは、後日公開予定。
新澤醸造店とは

創業1873年。「究極の食中酒」を掲げ、料理を引き立てる名脇役を目指す蔵元です。五代目・新澤巖夫さんが宮城県最年少杜氏として廃業寸前の蔵を再建。東日本大震災で全壊するも、川崎町に新蔵を構え同年中に復活しました。その後、「SAKE COMPETITION 2016」で日本一、「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)」では2022〜2025年に4年連続『Sake Brewer of the year』を受賞。さらに「世界酒蔵ランキング」でも4年連続世界一に輝く、世界トップクラスの酒蔵です。
まずは研修棟で、「人がつくるお酒」の話を。
標高およそ600m。山あいの空気は仙台市内よりもひんやり。車を降りた瞬間に、空気からして「水が綺麗そうな場所だな」とわかる、そんな場所です。
川崎蔵に着いて、最初に案内されたのは仕込み蔵の前に建つ研修棟。ここで、新澤社長からたっぷりと「新澤醸造店の考え方」をお話しいただきました。

研修棟ではまず、新澤社長から「お米とお酒の関係」を軸にしたお話を伺いました。
かつては新澤家は地主で、お米を年貢として受け取っていたそうです。でも、お米はそのままだと腐ってしまう。だからこそ昔の人は、味噌や日本酒に変えて新たな価値を生み出してきた。
その話を聞いた瞬間、「お酒って、保存の知恵から始まった文化なんだ」と、当たり前のようで忘れていた原点にハッとさせられました。
そして新澤社長ご自身の、学生時代の悔しかった思い出も。
お酒の味の話に移り、市場のお酒が年々甘くなっているとのこと。(コロナ前からグルコース量が2倍に)
ことあるごとに、「お米も、お酒も、結局は“人”がつくっている」と強調する新澤社長。
「"人"は不安になると足し算をするものだから、お酒も甘くなる。でも、それだと飲み続けられるお酒ではなくなってしまう。」
だからこそ、「伯楽星」は市場に出ているお酒を自社で分析にかけ、その平均値の半分のグルコース量になるように調整しているのだという。
この「"人"がつくっている」というところはお酒の味わいだけにとどまらず、農家・酒販店・蔵人など——関わるすべての人に当てはまる。
だからこそ、新澤社長は“駆け引きを超えた関係”になることを重視しているのだという。
ちなみに、蔵人の半分は女性。
マナー研修まで行うほど人づくりにも力を入れ、「通常の社員個々の飲み会でも多くの学びがあり、流通の情報となり得るものは全て経費として認めています。」と話す新澤社長に、「本当に素晴らしい取り組みですね。」と、鈴木様も驚かれていました。
酒の香りに迎えられて。

いよいよ仕込み蔵の中へ。
扉を開けて最初に感じたのは、ふわっと広がる酒かすとお米の香り。
「とても、いい香りですね」
と鈴木様が思わず声を上げると、新澤社長もにっこり。
川崎蔵は、よくある木造蔵というより、どこか研究所のような雰囲気。最新の設備が整いながら、その一つ一つが「人の勘と経験」を補うために使われているのが伝わってきます。
仕込み中の麹を実際に味わう。

この日、特別に仕込み中の麹を少しだけ味見させていただきました。
指でつまむと、外側はカラッとしているのに、中心部は弾力があって不思議な食感。

「お米なのに、こんな食感になるんですね」と鈴木様も驚かれていました。
「これがあの伯楽星や残響になっていくのか」と思うと、ただの一粒もすごく貴重に感じてしまいます。
次に見せていただいたのは、ちょうど乾燥中の「出麹(でこうじ)」。
麹の粒がサラサラと乾いていく様子は、まるで呼吸を整えているよう。

ここでしっかりと乾燥させることで、伯楽星ならではの“キュッと締まった味わい”が生まれるのだそうです。
さらには、海外向けの酒と、国内向けの酒でこの乾燥具合を変えているのだという。
水分を残したままだと雑味が出やすく、劣化しやすくなってしまう。だからこそ、このひと手間が、あの澄んだキレを支えている——そう聞いて、なるほどと頷かずにはいられませんでした。
発酵タンクの「昨日」と「今日」を、香りでたどる。

発酵中の醪(もろみ)も、段階ごとに見せていただきました。
仕込み初期のタンクは、まだ香りも控えめで、表面の泡も穏やか。中盤に差し掛かるタンクに近づくと、ガスが発生しているのを感じ始め、表面には小さな泡がぷくぷくと。

さらに進んだタンクの前では、バナナのようなフルーティーな香りがぐっと強くなり、「あ、もう飲むお酒に近づいてきているな」と感じられました。
「この中に浸かりたい!」と思わず冗談が出るほど、引き込まれる香りでした。
世界一の食中酒を、ご自宅の食卓で。
マイナス5℃と積算温度が教えてくれた、「変わらないおいしさ」の理由。

零下 -REIKA- のこだわりでもある「マイナス5℃保管」については、この日、積算温度の考え方を使って、改めて丁寧に説明していただきました。
常温(20℃)で200日保管:20 × 200 = 4,000
冷蔵(5℃)で200日保管:5 × 200 = 1,000
マイナス5℃で200日保管:0以下のため、0のまま
たとえば、常温20℃前後のお店でお酒を200日保管したとします。
1日あたりの温度を20℃とすると、積算温度は 20×200=4,000。
冷蔵庫で5℃保管だとしても、20日で 5×20=100、200日なら 1,000。
温度がプラスであればあるほど、積算温度はどんどん積み上がっていきます。
一方、さくら酒店(零下 -REIKA-)のように、保管温度が0℃を下回るマイナス5℃の場合、積算温度は「プラスにならない」。つまり、時間が経っても積算温度が増えていかないのです。
この差が、そのまま味わいの違い——フレッシュさやキレの違いとして、グラスの中に表れてくる。
「高いお酒だけをマイナス5℃で守るんじゃなくて、そうでないお酒も同じように扱わないと意味がない。そこまでやっている酒屋さんは、さくら酒店さんぐらいですよ」と新澤社長。
その言葉を聞きながら、「ああ、私たちが日々やっているマイナス5℃という温度管理は、やっぱり間違っていないんだな」と、胸の内でそっとうなずいていました。
0.85%まで5297時間。精米という気の遠くなる仕事。

新澤醸造店の大きな特徴のひとつが、自社精米です。大崎市には巨大な精米所があり、伯楽星や残響、そして零響に使うお米を、自分たちの手で磨き上げています。
特に、「零響 -Absolute 0 -(アブソルートゼロ)」 に使われる精米歩合0.85%のお米は、まさに“気の遠くなるような”世界。
精米時間は、なんと5,297時間。日数にすると、約221日。
ましてや、現在世界で最も磨いた米で造る 「零響 - Crystal 0 -(クリスタルゼロ)」※に至っては、0.85%未満ですので、さらに時間がかかります。
※「零響 - Crystal 0 -(クリスタルゼロ)」はオンライン販売禁止商品のため、ご入用の方はお問い合わせください。
その間ずっと、お米が砕けてしまわないように少しずつ少しずつ削り、状態を見ながら、時間や条件を細かく調整していきます。
これが、「零響 - Crystal 0 -(クリスタルゼロ)」が100万円を超える理由の一つなのですね。
タクシーの中はまるで"小さな日本酒サロン"

蔵を後にして、仙台市内へ向かうタクシーの中。ここでも、日本酒談義は止まりません。
意外だったのが、鈴木様は実はあまり多くのアルコールは飲めない体質だという。それにもかかわらず、常に日本酒の“新しい飲み方・楽しみ方”へのアンテナがフル稼働。
木札をボトルに入れて熟成させる「木札酒」や、「海底熟成酒」、「宇宙深海酵母」のお酒にも興味津々。ご自宅では、燗酒に焼き魚を浸して味わったりも。
日本酒の楽しみ方などで盛り上がり、タクシーの中がまるで"小さな日本酒サロン"のようでした。
仙台「仔虎」で、牛刺しと伯楽星のちょい飲みランチ。

お昼は、仙台駅近くの「仔虎 クリスロード店」へ。ここでももちろん、「ちょい飲み」を忘れません。
まず驚かされたのが、牛刺しと純生ユッケ。
赤身の旨みがぎゅっと詰まっているのに、舌触りはとろり。ユッケは、卵黄とタレのバランスが絶妙で、「これだけで杯が進みそうですね」と鈴木様と顔を見合わせてしまいました。
続いて運ばれてきた焼肉は、どの部位も柔らかく、脂はあるのにくどくない。そこに合わせたのは、新澤醸造店の「伯楽星 純米吟醸」。
お肉の旨みとほどよい脂の甘さを受け止めつつ、後味をすっと切ってくれる伯楽星のキレ。
「やっぱり、究極の食中酒ですね…」
と、思わずつぶやいてしまうくらい、ぴったりのペアリングでした。
零響 Crystal 0 と、「いいものをたどる」という感性。

今回の旅の中で、鈴木様のお話から改めて印象に残ったのが、「いいもの、美味しいものをたどっていったら、それがたまたま高かっただけで、価格で判断しているわけではない」という言葉でした。
鈴木様は、ご自身で「零響 - Crystal 0 -(クリスタルゼロ)」を飲まれ、その体験を経て、「これは大切な方への贈り物として間違いない!」と感じてくださったそうです。
実際にギフトとしてお贈りになった際には、「何、この箱!?」と箱を見た瞬間から大変喜んでいただいたという微笑ましいエピソードも教えてくださいました。
「いいものを、自分で確かめてから贈る。」
「新しい飲み方や、まだ出会ったことのないお酒を探るのが好き」
そんな鈴木様の感性と、新澤醸造店さんの“徹底したものづくり”が、零下 -REIKA- を通じてつながっている。そのことが、何よりうれしく感じられました。
この旅で、私たちが改めて感じたこと
- お酒の味わいを決めるのは「設備」だけでなく、農家・蔵人・酒販店など“人”の関係性であること。
- マイナス5℃保管や0.85%まで磨く精米など、見えないところの積み重ねが「世界一の食中酒」を支えていること。
- いいものを自分で確かめて、大切な人に贈る。その感性を持つお客様と蔵元をつなぐ役割を、零下 -REIKA- が担っていること。
“秘密の零下さん”という特別席から見える景色。

データと設備を駆使しながらも、人が生み出す価値やつながりを大切にしている新澤醸造店さん。
そして、日本酒のある暮らしそのものを楽しみながら、「次はどんなお酒に出会おうか」とワクワクしている鈴木様。
そのお二人のあいだに、零下 -REIKA- としてご一緒させていただき、同じテーブルでお酒を酌み交わせたことは、私にとっても大きな学びであり、何よりのご褒美でした。

「大角さんがいなければ、こんな体験は叶いませんでした。」
鈴木様にそうおっしゃっていただけたこと。
「高いお酒だけではなくそうでないお酒も同じようにマイナス5℃で守っている酒屋さんは、さくら酒店(零下 -REIKA-)さんぐらいですよ」
と新澤社長ご本人の口から語っていただけたこと。
この二つの言葉が、この一日のすべてを象徴しているように思います。

零下の会員ランク「秘密の零下さん」は、少しだけハードルの高い、シークレットなランクです。
けれど、その先には、今回のような、蔵と、お客様と、私たちが同じ目線で語り合う、特別な時間が待っています。
ぜひ、私たち「零下 -REIKA-」の会員になってみませんか?
