知らなきゃ恥!日本酒の味わいを左右する「器の真実」
日本酒の味わいを決めるのは、お米や酵母だけではありません。実は“器の形”によっても、香りや口当たり、感じ方が大きく変わります。普段何気なく選んでいるお猪口やグラスも、形状によってお酒の印象を左右しているのです。
今回は、当店でも取り扱っている「KIMOTOグラス」の5種類を例に、器の形がもたらす味わいの違いを分かりやすくご紹介します。
後半では、脱初心者したい方向けのポイントもご紹介いたしますので、ぜひご参考にしてくださいね。
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KIMOTOグラス5種に見る、器の形と味わいの関係
人は味を感じるとき、舌の上にある「味蕾(みらい)」という器官で五味を感知します。味蕾は舌の部位によって分布が異なるため、酒の流れるスピードや当たる位置によって、同じお酒でも味の印象が変わるのです。
1. 爽(そう)|軽快でキレのあるお酒に
すらりと細長い形状が特徴。舌先から中心へとスムーズに流れるため、より軽快で爽やかな印象になります。スパークリングタイプや吟醸酒など、爽快感を楽しむ日本酒におすすめです。
2. 華(はな)|香り高い吟醸酒に
丸みを帯びたフォルムは、香りをグラスの中にとどめてくれる形状。舌の上をゆっくり流れることで、華やかな吟醸香とやわらかい口当たりを感じられます。純米大吟醸などにぴったり。
3. 和(なごみ)|オールマイティな万能型
最もベーシックな形で、幅広いタイプの日本酒に対応。手のひらで温めながら飲むことで、冷酒から常温酒までさまざまな表情を楽しめます。純米酒との相性も抜群です。
4. 雅(みやび)|旨味の強い酒に
盃型に近いデザインで、口に入る速度がゆっくり。旨味のある山廃・生酛造りや原酒など、コクのあるお酒に向いています。ちびちびと味わいたい夜におすすめ。
5. 醇(じゅん)|熟成酒や重厚なお酒に
背の低いつぼ型の形状で、酒が空気に触れにくく、まろやかで奥行きのある味わいを引き出します。熟成酒や濃醇なタイプをじっくり楽しむのに最適です。
実際に試してほしい日本酒 × 器の組み合わせ
1. 福海 山田錦 × 爽 / 雅
シュワっと爽やかな微発泡感を持つ「福海 山田錦」は、背の高い「爽」で軽快に飲むのがおすすめ。
脱初心者したい方は、盃型の「雅」で飲んでみてください。先ほど感じた爽やかに感じたガス感とキレの良さが鳴りを潜め、旨味のボリュームを感じやすくなります。同じお酒でもまったく違う印象に出会えますよ。
2. 日輪田 生酛純米大吟醸 山田錦 × 華 / 醇
吟醸香と、まろやかさを楽しむなら丸みを帯びた「華」を使用するのがおすすめ。
脱初心者したい方は、背の低い「醇」使用することで、 生酛由来の複雑味にスポットライトを当てて楽しめます。( そこまで重たいお酒ではないので、「雅」ではなく「醇」をチョイス)。
「醇」を使ってじっくり凝縮した複雑な旨味を紐解いていくと、「華」では感じられなかった、幾重にも重なったミルフィーユのような味わいのひだを感じることができるようになります。
3. 七田 七割五分磨き 純米 山田錦 × 和 / 醇
もともとモダンとクラシックの両方のニュアンスを持ったお酒なので、「和(なごみ)」のような形の器を使うのがおすすめ。
注ぎたてはどちらかというとモダンを強く感じて、手で温めて温度を上げていくと、ボリュームのあるナッツのようなクラシック系の香りと味わいが膨らんできます。
脱初心者したい方は、「醇」のようなつぼんでいて背の低いタイプの器に変えてあげると、より熟成感を味わえて、もうひとステージ日本酒飲みレベルを上げることができます。
まとめ|器を変えるだけで日本酒が変わる
器の形によって、同じお酒がまるで別物のように感じられる——。それこそが日本酒の奥深い魅力です。ぜひご自宅でも、同じお酒でも器を変えて飲み比べてみてください。
今回ご紹介した「KIMOTOグラス5点セット」は、当ショップでもお求めいただけます。日本酒の新たな楽しみ方を見つけたい方は、ぜひチェックしてみてください。