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幻の日本酒

【幻の日本酒10選】希少な銘柄とその理由を紹介

「幻の日本酒」とも言われるほどに、 なかなか手に入らない希少な日本酒が数多く存在します。

当店でも、射美の抽選販売の際には、多くのお客様が抽選に参加してくださっていますが、「希少なお酒を飲んでみたい」と思うのは、日本酒ファンなら誰しも共感するところではないでしょうか。

そこで本記事では、幻とも呼ばれる希少な日本酒10選をご紹介します。 幻と謳われる理由もあわせて解説しますので、ぜひ楽しんでお読みください。

「幻の日本酒」と呼ばれる理由

幻の日本酒

レアな日本酒がなぜ幻とまで呼ばれるのか。その主な理由をご紹介します。

生産量が少ない

生産量が少ない日本酒は流通量も少なく、希少価値が高まります。

特に幻と称される日本酒は、職人が通常以上に多くの時間と技術を投じて造り上げているお酒のため、大量生産ができません。

地元でしか流通していない

日本酒の中には、地元でのみ流通しているものも多くあります。

決して大きくはない老舗酒蔵で、伝統を受け継いだ職人たちが一つ一つ丹精込めて生み出した名酒の数々は、生産量の少なさゆえに限られた地域でしか手に入りません。

また特約店として一部の酒屋さんでしか販売されていないものもあるため、日本酒を求めてその地域へと足を運ぶ旅行客も多くいます。

品薄になっている

高い人気ゆえに、販売や予約の開始直後に売り切れてしまう日本酒も多くあります。

愛好家たちの評判に応えて職人たちが日々製造を重ねても、それ以上に多くのファンが入荷を心待ちにしているため、絶えず品薄になってしまうのです。

品評会で受賞している

お酒の美味しさを競う品評会は、全国の酒蔵から寄せられた自慢の銘酒がしのぎをけずるイベントです。

代表例は、「全国新酒鑑評会」「全米日本酒歓評会」「MILANO SAKE CHALLENGE」など。

プロに評価された銘柄は、多くの人が競って買い求めるようになります。

幻の日本酒10選

誰もが一度は飲んでみたい超レアな銘柄を厳選して10種類ご紹介します。

驚異の精米歩合0%台。「零響(れいきょう)」(宮城県)

零響

お米の芯を傷つけないよう高度な技術によって精米歩合0.85%を実現し、お米の最も美味しい部分だけを集めたこだわりの銘酒がこの「零響」です。

なんと5297時間(221日)という果てしない月日をかけて精米されたお米を使用して造られています。

その製造の難しさから年間333本限定というまさに幻の日本酒です。

少量生産のため入手困難。「射美(いび)」(岐阜県)

射美

「日本一小さな酒蔵」として有名な、父と息子の二人で伝統を受け継ぐ老舗酒蔵「杉原酒造」が誇る大人気の銘酒「射美」は、「揖斐の誉(いびのほまれ)」という独自の酒米と「揖斐川」の伏流水を使って生まれるとろりと濃厚な味わいが魅力。

まるでデザートワインのような果実味のある甘味と程よい酸味が愛されるこの射美は、酒米「揖斐の誉」の収穫量が少ないため生産量に限りがあります。

シリーズを通して入手困難。「十四代」(山形県)

十四代

「十四代」は、山形県の老舗酒蔵である高木酒造が醸す日本酒です。

フルーティで上品な甘さが魅力の十四代は、季節限定品など多くのシリーズが生み出されているのも特徴で、どれをとってもお米の甘味と香りが楽しめます。

海外で評価され一躍全国区に。「新政(あらまさ)」(秋田県)

新政No.6秋田県に嘉永五年(1852年)から続く老舗酒蔵「新政酒造」で造られる「新政」。

徹底的な温度管理のもと販売される生酒「新政No.6」シリーズが人気です。

鮮度にこだわったNo.6の甘味と酸味は、海外での日本酒ブームを牽引する珠玉の味わい。 海外での評価も相まって、日本でも全国的に知れ渡る銘酒となりました。

県内の酒米を積極的に採用。「田酒(でんしゅ)」(青森県)

田酒地元・青森のお米であり、幻の品種「古城錦」や「華想い」といった酒米を活かした「田酒」はその力強い味わいが魅力です。

醸造用アルコールや醸造用糖類を一切使用せず、米が持つ旨味と香りが凝縮された味わいに、国内外問わず多くのファンが心を奪われている銘酒。

品評会で複数の金賞受賞。「而今(じこん)」(三重県)

田酒丁寧な手造りにこだわり江戸時代から伝統製法を受け継ぐ老舗酒、木屋正酒造で生み出される而今は、「全国新酒鑑評会」「SAKE COMPETITION」などいくつもの賞の常連の銘酒です。

日本酒の発酵を止める火入れを職人技の絶妙なタイミングでおこなうことで、生のフレッシュ感をそのままに、酸味を抑えた甘味のあるフルーティな味わいが楽しめます。

獺祭(だっさい)の中でも入手困難「獺祭 早田(はやた)」

獺祭 早田

「幻の日本酒」ブームを牽引した存在ともいえる人気銘柄「獺祭」ですが、中でもその入手の困難さを極めているのが「獺祭 早田」です。

純米大吟醸ながらもフルーティで豊かな香りが特徴で、お手頃な価格からも日本酒の人気を大きく高めた存在。

獺祭シリーズは一時期に比べると入手しやすくなりましたが、早田は防腐剤を一切使わず「煮酒」と呼ばれる伝統製法で造り上げられたプレミア品です。

他にも最高級ライン「獺祭 その先へ」も同じく高い人気を誇っています。

個人ではなかなか買えない「花陽浴(はなあび)」(埼玉県)

花陽浴

埼玉県にある家族経営の小さな酒蔵で製造される「花陽浴」。

甘味と酸味のバランスが良く日本酒初心者や女性の間でも人気を集める銘酒です。

「あらばしり」と呼ばれる澱(おり)が絡み濁った色合いと旨味が特徴で、生産量の少なさからなかなか手に入らない日本酒です。

「無ろ過生原酒」ブームの先駆者。「飛露喜(ひろき)」(福島県)

飛露喜

加熱処理やろ過をしない「無ろ過生原酒」のブームを巻き起こした先駆者でもある「飛露喜」は、福島県会津地方の老舗酒蔵「廣木酒造本店」が醸す日本酒。

無ろ過生原酒ならではの透明感のあるボディや鮮烈な飲み口ながらもバランスの取れた味わいが魅力ですが、 正規取扱店のみの限定流通という希少なお酒です。

デザートワインにも例えられる。「村祐(むらゆう) 黒」(新潟県)

村祐 黒

新潟の日本酒は「淡麗辛口」で知られていますが、こちらの「村祐」シリーズは柔らかい口当たりと控えめな甘味が織り成すやさしい味わいが魅力です。

特に年に一度、12月に限定販売される「村祐 黒」は、村祐シリーズの優しい味わいを残しつつも甘味をしっかりと感じられると大人気。 クリスマスやお正月などの華やかなシーンにも人気一本です。

まとめ

日本酒の中でもあまりお目にかかれない銘酒10選をご紹介しました。 

他にもまだまだ希少性の高いお酒はありますが、代表例として参考にしていただけると嬉しいです。

また、当店「零下」でも「零響」や「射美」のようなレア酒の取り扱いはありますが、通年で楽しめる定番酒や、年に1度の楽しみとしての季節商品など、どれを選んでもきっとご満足いただける商品をセレクトして多数取り扱っています。

ぜひお気に入りの一本を見つけてください。

この記事の監修者

日本酒王子の写真

日本酒王子

近藤悠一

Sake Prince, Yuichi Kondo

・店舗のない日本酒専門店「さくら酒店」代表取締役社長
・YouTuber
・NHK文化センター・毎日文化センター日本酒講師

1980年、岐阜県大垣市生まれ。
金沢大学在学中、ニューヨーク州立大学バッファロー挍へ1年間派遣留学。 日本人としてのアイデンティティを強く感じさせられ、日本文化において最も好きな日本酒を専門とする酒屋になることを決意。
大学卒業後、商品先物取引業者での勤務や、日本酒専門店・山中酒の店での店長職を経て、2013年に「さくら酒店」を創業。
「日本酒王子」としてマリアージュのイベント企画開催、法人様向け営業、人事労務などを担当。利酒師合格経験あり。
これまで5000種類以上の日本酒を利き酒してきた実績を活かし、YouTubeチャンネル(登録者数5000人超)では、日常に寄り添ったおすすめの日本酒を「忖度なし」で紹介。
LINEオープンチャット「教えて!日本酒王子」の参加者は600人にのぼる。