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賛否両論・名古屋に聞く!絶対に外さない定番酒5選

賛否両論・名古屋に聞く!絶対に外さない定番酒5選【日本酒365#1】

日本酒の楽しみ方は千差万別。季節商品や限定商品、レアなお酒を味わう時間も最高に幸せですが、日本酒ファンにとって欠かせないのが、いつでも「お気に入りの味わい」で寄り添ってくれる定番酒の存在。

炊きたてのご飯のごとく、日本酒を楽しむ上で、ラインナップの核にもなるのが定番酒です。

そんなわけで、365日楽しめる通年商品にフォーカスを当てて、さまざまな日本酒ファンにその魅力を語っていただくのが本企画。

記念すべき第一回目は、レビューでは高評価が絶えない大人気の日本料理店、賛否両論・名古屋様の3名におすすめの定番酒をお伺いしてきました。

店舗統括料理長・丹下氏のおすすめ定番酒2選

最初にお伺いしたのは、賛否両論で、店舗統括料理長を務める丹下陽介さん。

丹下さんはアパレル業界出身という異例のキャリアの持ち主。賛否両論のマスター・笠原氏に惚れ込み、2店舗目の直営店となる名古屋店開業時に弟子入り。2016年に名古屋店の料理長に就任し、現在は料理教室やイベント出演、小・中学校、大学で食育事業や講義を行うなど多方面でも活躍される料理人です。

1. 出会ったときからずっと好き【戦勝政宗】

1本目は、勝山酒造の「戦勝政宗」(せんしょうまさむね)です。「零下」(旧・さくら酒店オンラインショップ)から仕入れて、初めて飲んだときからずっと好きなんです。

ー 戦勝政宗の特別純米ですね。どんなところが魅力ですか?

僕はお酒があまり強くないので、量をたくさん飲めないんですが、戦勝政宗の好きなところは、全てのお料理に対して、うまく調和してくれるところ。

戦勝政宗を少しずつ飲みながら、いろんなお料理を楽しむのが、僕のスタイルです。

料理人としては、どのお客様に、どのタイミングで出しても必ずお料理を引き立ててくれるという安定感も魅力です。

野球に例えるなら、どの打順でも必ずヒットを打ってくれるオールラウンドな選手(笑)。

2. 通を唸らせる、うまさ!【七本鎗】

もう一本は、料理人目線で「七本鎗」(しちほんやり)を挙げます。
七本槍は個人的には癖があって、戦勝政宗とは真逆の存在。
荒々しくて、旨みが強いのが魅力ですね。

ー どんなお客様におすすめされますか?

日本酒初心者の方ではなく、日本酒に詳しいお客様によくおすすめしています。
あとは、辛口が好きというお客様にも。

お酒の好きなお客様には必ず「いいね、うまい!」と言っていただける日本酒です。 

フロア担当・坂上氏のおすすめ定番酒1選

続いて、お客様への手厚いホスピタリティでお店を盛り上げるフロア担当の坂上幸子(さかがみゆきこ)さん。

百貨店勤務されていた坂上さんも、笠原マスターに惚れて、賛否両論名古屋のオープニングスタッフとして入社されたそう。今では名古屋店の接客にはなくてはならない存在です。

3. すっきりと甘味の絶妙なバランス【勝山「伝」】

私のおすすめ定番酒は勝山酒造の「伝」(でん)です。飲みやすいけど、軽すぎないというバランスの良さがとても印象深いお酒です。

飲みごたえがあるお酒が好きだけど、辛すぎるのは苦手という私の好みにぴったりなんです。

スッキリはしてるけど、日本酒らしいお米の甘味やふくよかさを楽しめる、とても美味しい日本酒だと思います。

ー お客様にも、おすすめされることはありますか?

はい、先日はおつくりに合わせて召し上がっていただいて、とても好評でした。

冷酒を酒グラスで飲んでいただくことが多いですが、お料理の引き立て役として、お客様に喜ばれる日本酒です。

料理長・大貫氏のおすすめ定番酒2選

最後を飾るのは、料理長の大貫光介さん。

大貫さんは名古屋店にてマスター・笠原氏の下、修行10年目を迎え、現在は料理長をしながら、カウンター越しにお客様を喜ばせる接客にも力を入れられています。

4. グッとくる飲みごたえ【竹雀】 

もともと生酛造りのお酒が好きで、中でも大塚酒造の竹雀(たけすずめ)がお気に入りです。

しっかりとした、旨みのある日本酒が好きなのですが、このお酒は飲みごたえがあってグッとくるインパクトが本当に美味しいんです。

ーどんなお料理と合わせたいですか?

ちょうど寒い時期なので、脂ののったもの。お刺身や焼いたブリに合わせたいです。

お燗酒にして、お鍋に合わせても美味しいお酒ですよね。

お正月のお祝いの席にもぴったりだと思いますし、辛口が好きというお客様には特におすすめしたい一本です。

5. 食欲をそそる優しい味わい【勝山「献」】


もう一本は、勝山酒造のお酒が続いてしまいますが、「勝山 献」(けん)もおすすめです。

こちらは、竹雀とは違って、すっきりとした味わいのお酒。
とにかくどのお料理にもうまく合うし、お酒単体で飲んでも品があって美味しいですよね。

ーこちらは、どんなお料理に提案したいお酒ですか?

しっかりお酒を冷やして、お造りに合わせてもらいたいです。
あとは、優しい味わいのお料理ですね。

胃に優しくて食欲をそそる前菜に、こちらの献を合わせて飲んでいただけたら、さらに食欲をそそられること間違いなしだと思います。

新しい定番酒との出会いを

今回は、大人気の日本料理店「賛否両論・名古屋様」の皆さまにお伺いした、おすすめの定番酒5本をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

「零下」でお取り扱いのある日本酒でも、その魅力を伝えきれていない美味しい日本酒がまだまだたくさんあります。

「一年を通して、ずっと飲み続けたい」

そんな日本酒と出会うための一助になれるよう、これからも素敵な日本酒をご紹介していきますので、ぜひ楽しみにしていたください。

この記事の監修者

日本酒王子の写真

日本酒王子

近藤悠一

Sake Prince, Yuichi Kondo

・店舗のない日本酒専門店「さくら酒店」代表取締役社長
・YouTuber
・NHK文化センター・毎日文化センター日本酒講師

1980年、岐阜県大垣市生まれ。
金沢大学在学中、ニューヨーク州立大学バッファロー挍へ1年間派遣留学。 日本人としてのアイデンティティを強く感じさせられ、日本文化において最も好きな日本酒を専門とする酒屋になることを決意。
大学卒業後、商品先物取引業者での勤務や、日本酒専門店・山中酒の店での店長職を経て、2013年に「さくら酒店」を創業。
「日本酒王子」としてマリアージュのイベント企画開催、法人様向け営業、人事労務などを担当。利酒師合格経験あり。
これまで5000種類以上の日本酒を利き酒してきた実績を活かし、YouTubeチャンネル(登録者数5000人超)では、日常に寄り添ったおすすめの日本酒を「忖度なし」で紹介。
LINEオープンチャット「教えて!日本酒王子」の参加者は600人にのぼる。