食通・酒好きで知られた武将・伊達政宗。
そんな名将が、実は宮城県の酒造りに大きく貢献していることをご存知でしょうか。
およそ400年前から宮城の酒は進化をし続けて、今日では、宮城県の酒造組合には24の酒蔵が登録されています。
「浦霞」「すず音」といった生産量の非常に多いお酒から、当店・零下でも大人気の「伯楽星」「勝山」「日輪田」といった銘柄も宮城県産の日本酒です。
あまり日本酒に詳しくない方でも、これらの銘柄のうち一つは目にしたことがあるのでは?
本記事では、そんな宮城県の日本酒づくりの特徴や、おすすめの銘柄・商品、お料理とのあわせ方を詳しく解説をしていきます。
宮城県の日本酒の特徴
宮城県酒造組合によれば、全国平均の約3割をはるかにしのぐ、宮城の酒の約9割が特定名称酒です。はたまた、コンテストでの金賞受賞率は常にトップクラス。
冬の寒さを酒造りに活かした「低温長期発酵技術」により、すっきりした味わいで多くの日本酒ファンを楽しませています。
また宮城の風土に適した県独自の酒米は、「蔵の華」「吟のいろは」の二種類。
特に「吟のいろは」は令和に誕生と、まだ真新しい酒米ですが、芳醇な香りや豊かな味わいを生み出すことができるため、多くの酒蔵で好評されています。
宮城の酒づくりの歴史:伊達政宗と仙台伊澤家勝山酒造
宮城の酒造りは慶長9年(1604年)に始められたという記録が残っていますが、この酒造りの発展を後押しをしたのが、食通で酒をこよなく愛した仙台藩祖・伊達政宗公です。
伊達政宗は、城内に造酒屋敷を設け、仙台藩の御用酒屋がスタートしました。
ちなみに、仙台藩の御用蔵はその時々で変わっていたのですが、唯一現存しているのが、創業300年以上の歴史を持つ仙台伊澤家勝山酒造。
残念ながら、廃業する酒蔵も多くあった中で、仙台伊澤家勝山酒造は食中酒や高級酒を武器に、独自の酒造りを進化させ続け、今では世界からもとても評価が高いお酒を多数つくられています。
宮城の酒蔵:3蔵をご紹介
宮城県の酒造組合には24の酒蔵が登録されていますが、今回は、当店でお取り扱いのある3蔵をご紹介します。
新澤醸造店 <代表銘柄:伯楽星>
新澤醸造店はお酒のオリンピックとも呼ばれる「IWC」(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)にて、世界一の酒蔵を選出する 「Sake Brewer of the year」のタイトルを2022年・2023年と2年連続で受賞しました。
代表銘柄:伯楽星、あたごのまつ、残響、零響など
仙台伊澤家勝山酒造 <代表銘柄:勝山>
先ほどもご紹介した通り、現存する唯一の仙台伊達家御用蔵が仙台伊澤家勝山酒造。
国内外の受賞歴は枚挙にいとまがありませんが、これまでの常識を打ち破る新しい日本酒の価値観を提供し続けています。
代表銘柄:勝山、戦勝政宗
萩野酒造 <代表銘柄:萩の鶴>
味もさることながら、「メガネ専用」「猫ラベル」など、思わず手にとってしまう楽しいラベルの日本酒を販売する酒蔵。
そんな萩野酒造のモットーの一つが、「毎日着られて心地の良い上質な普段着」のような酒造り。
代表銘柄:萩の鶴、日輪田
絶対に飲んでほしい!宮城県の日本酒おすすめ5選
まずは、絶対に飲んでほしい!コスパ最強な宮城県の日本酒5選をご紹介します。
伯楽星 純米大吟醸
岡山県産の雄町を40%まで磨いた伯楽星の限定醸造酒。
雄町らしいふくよかさと伯楽星らしいシャープさが同居した、素晴らしいバランスに仕上がっています。
戦勝政宗 特別純米
KURA MASTER 2017 プラチナ賞!伊達軍の軍旗をモチーフにした勝山の限定流通銘柄。
特別純米は仙台を代表する地米「ひとめぼれ」を100%使い、ふくよかで弾力のあるボディに仕上げています。
勝山 「献」純米吟醸
世界最大級の日本酒コンテストであるSAKE COMPETITIONにて2年連続第1位、 世界最大にして最も権威のあるワインコンテスト・INTERNATIONAL WINE CHALLENGE 2019でも SAKE部門純米吟醸クラス 第1位に当たるトロフィー賞、 さらにはSAKE部門最高賞の「チャンピオン・サケ」にも輝き、三度の世界一を獲得。
日輪田 生酛純米大吟醸 雄町
自然派の造りである生酛造りと、原生種に近い雄町の掛け合わせで表現された、 ベルベットの様な滑らかな舌触りと格調高い芯の通った骨格、 そして丸みを帯びて収斂していく後味の上品さに心奪われます。
愛宕の松 スパークリング
ミラノ酒チャレンジ2019で金賞受賞!スパークリングSAKE!
ほのかな苺の様な香りと上品な甘みが軽やかで、弾ける泡が爽快に後味をまとめ上げてくれます。
5,000円以上!特別な日に飲みたい高級な宮城県の日本酒おすすめ5選
価格は5,000円以上。特別な日にもぴったり!ちょっと贅沢な日本酒5選をご紹介します。
伯楽星 純米大吟醸 東条秋津産山田錦
山田錦の原産地・兵庫県の中でも特A地区と呼ばれる東条エリア。
その中でも更に産地を限定し、最高ランクと呼ばれる秋津地区の山田錦(特上米)だけを使用した、伯楽星の最高峰です。
勝山 「伝」 純米大吟醸
男性的な力強さと、女性的でグラマラスな優美さを兼ね備えた、あらゆる面で完成度の高い1本です。
口に含んだ瞬間に湧き上がる幸せ感を「口福感」と蔵元は呼びます。
勝山 「暁」 純米大吟醸 遠心しぼり
2016年にパーカーポイント95点を獲得!今までの日本酒の既成概念を超える次世代の日本酒!
従来の酒袋や自動圧搾機を使わず、独自に改良を重ねた遠心分離機で醪(もろみ)を高速回転させ、高純度の酒のエッセンスのみを抽出。
日輪田 生酛純米大吟醸 山田錦35
生酛らしい一本芯の通った深く力強い味わいと、現代の技によって曇りの無い澄みきった上品さを両立。微生物たちの熾烈な生存競争と極低温の中を生き残った強靭な酵母で醸される生酛造り。
超特選 純米大吟醸 残響 Super7
直径1mmの小さな米粒がグラスの中で奏でる“残響”は、高精白のトップランナーが造る「7%」精米の究極の味わい。
2010年 アメリカ・グラミー賞のレセプションで振る舞われ、IWC2022(インターナショナルワインチャレンジ)では残響 2022 ヴィンテージが純米大吟醸部門 ゴールド賞を受賞しました。
プレゼントに最適!宮城県の日本酒おすすめ3選
宮城県に縁があっても、なくても、プレゼントすれば喜ばれること間違いなし。
予算別におすすめの日本酒3選をご紹介します。
勝山 「ダイヤモンド暁」 純米大吟醸 遠心しぼり <予算3万円代>
宮城県 独自に改良を重ねた遠心分離機で醪(もろみ)を高速回転させ、高純度の酒のエッセンスのみを抽出したものが「暁」。その中でも「透明感・純度がより高く、より比重の小さい極芯部分」のみを集めたものが「ダイヤモンド暁」。
伯楽星 純米大吟醸 ひかり <予算1万円代>
2022年、世界で最も権威あるワインコンテスト 「IWC(インターナショナル ワインチャレンジ)」にてゴールドメダルを受賞した、伯楽星シリーズの最高峰。
バナナを思わせる心地よい香味がふわりと広がり、追いかけてくる綺麗な酸味と優しい甘みに溶け込みながら消えていき、優雅な余韻を残します。
「勝山」世界の受賞酒セット <予算1万円以下>
2019年、同時に別々のコンテストで世界一・フランス一を獲得した「献」「伝」をセットにしてお届けします。
味わいは異なっていても、そこに流れるポリシーは殿様酒を造り続ける気概に裏打ちされていると感じることができる勝山の人気の飲み比べセットです。
最後に
余談ですが、今では一般的に使われる「食中酒」というワードは、今回ご紹介した新澤醸造店が初めて使われたという逸話もあります。
また、萩野酒造の「メガネ専用」という銘柄名は、蔵元の全員がメガネを着用しているところから名付けられたそうです。
今回の記事で、宮城県の日本酒の魅力が少しでも伝われば幸いです。
ぜひ、当店・零下にてお気に入りの一本を見つけてください。