日本酒造りの柱となる酒米。酒米の種類によって、お酒の味わいは大きく変わります。
例えば、有名な「山田錦」や「雄町」は商品名でよく見かける方も多いと思いますが、これらの違いを知っておくと日本酒選びはもっと楽しくなること間違いありません。
本記事では、酒米と飯米の違いから、代表的な酒米の特徴、さらに「見かけたら絶対飲むべき!」と言われるレアな酒米まで、詳しくご紹介します。
酒米(さかまい)とは?酒米の基礎知識
日本酒づくりに使われるお米は、大きく分けて「酒米(酒造好適米)」と「飯米(一般米)」の2つ。酒米が使われる方が一般的ですが、一般の家庭で食べる飯米を使って造られる日本酒もあります。
比較項目 | 酒米 | 飯米 |
---|---|---|
粒の大きさ | 大きい | 小さい〜中くらい |
心白の有無 | あり(多くが中心に持つ) | ほとんどなし |
タンパク質 | 低め(雑味が出にくい) | 高め(雑味が出やすい) |
精米適性 | 高く、吟醸酒に向いている | 精米すると崩れやすい |
なぜ酒米を使うのか?
酒造りに酒米を使う利点を『日本酒の科学』(著・和田美代子)では以下の4つをあげています。
- 精米中に砕けにくい
- 米粒が大きい
- 心白(しんぱく)の形と大きさ、位置がほどよい
- 外硬内軟である(表面は硬く、内側は柔らかい)
いいお酒を造るために精米の精度が不可欠であり、酒米は形状も中身も精米には最適です。
またその結果、発酵がスムーズになり、香り豊かで雑味の少ないクリアな味わいの酒を造りやすくなります。
代表的な酒米10選と商品例を紹介
1. 山田錦(やまだにしき)
- 特徴:バランスの取れたふくよかさと香りの高さ。吟醸酒〜大吟醸酒に多く使われ、「酒米の王様」とも呼ばれる
- 主産地:兵庫県(特に東條地区が最高峰)
- 商品例:東洋美人 壱番纏(いちばんまとい) 純米大吟醸
2. 五百万石(ごひゃくまんごく)
- 特徴:雑味が少なく、淡麗でスッキリとした味わい。「大量生産しやすく、磨きにはやや不向き」と言われるが、食中酒向きとして高評価
- 主産地:新潟県
- 商品例:寒紅梅 純米 しぼりたて 生原酒 FUYU 白くまラベル
3. 雄町(おまち)
- 特徴:コク・旨味・ボリューム感の三拍子。濃醇な味わい。濃い味の料理や燗酒との相性◎。「オマチスト」という愛好家が存在するほど
- 主産地:岡山県
- 商品例:石鎚 純米吟醸 雄町
4. 愛山(あいやま)
- 特徴:コク・旨味・ボリューム感の全てのバランスがよく「酒米のダイヤモンド」の異名を持つ
- 主産地:兵庫県
- 商品例:作(ざく) 愛山 純米吟醸
5. 美山錦(みやまにしき)
- 特徴:香り穏やかで軽快、爽やかな飲み心地。すっきりした酒造りに使用。
- 主産地:長野県
- 商品例:日輪田 生酛純米 美山錦
6. 出羽燦々(でわさんさん)
- 特徴:大粒で寒さに強く、倒れにくい。雑味が少なく、キレ、淡麗な味わい。美山錦を改良した品種
- 主産地:山形県
- 商品例:七田 夏純 純米酒
7. 八反錦(はったんにしき)
- 特徴:雑味が少なく、すっきりとした味わい。広島県を代表する酒米
- 主産地:広島県
- 商品例:賀茂金秀 辛口夏純
8. 吟風(ぎんぷう)
- 特徴:北海道の寒冷地向けに開発された酒米。心白が大きく、ふくよかな味になりやすい
- 主産地:北海道
- 商品例:津島屋外伝 特別純米 Nordwind(北の風) 無濾過生原酒 うすにごり
9. 白鶴錦(はくつるにしき)
- 特徴:山田錦の「母親と父親」を再交配して生まれた兄弟米。華やかな香りとやわらかな味わい。吟醸・大吟醸に向くが、山田錦よりも柔らかさが際立つことも
- 主産地:兵庫県
- 商品例:あたごのまつ 純米大吟醸 白鶴錦
10. 夢ささら(ゆめささら)
- 特徴:山田錦の遺伝子を継いだ新しい酒米。精米歩合を下げても雑味が出にくく、すっきりした味わいに仕上がる
- 主産地:栃木県
- 商品例:望 純米吟醸 夢ささら 生原酒
超レアな酒米3選
めったに飲めない「レアな酒米」というものもあります。中でも注目の品種を3つご紹介します。
11. 伊勢錦(いせにしき)|復活の幻米
- 産地:三重県
- 特徴:山田錦に似た系譜を持ちながら、シャープな酒質
- 希少性:収穫量は全国でもわずか22トン(2022年実績)!限定蔵のみ使用
12. 揖斐の誉(いびのほまれ)|岐阜が誇る「幻中の幻」
- 産地:岐阜県
- 特徴:山田錦×若水の交配種。やわらかくも力強い旨味
- 希少性:「射美(いび)」のみで使用。年に数千本だけ流通
13. 龍の落とし子(たつのおとしご)|十四代の真髄
- 産地:山形県
- 特徴:高木酒造が18年かけて開発。芳醇で立体的な香味
- レア度:十四代シリーズでも特に入手困難な1本に使われる
産地や気候でも味が変わる?|山田錦を例に解説
実は同じ品種でも、産地によって味が大きく変わるのが酒米の面白さ。
- 兵庫・東條産山田錦:ふくよかで上品。まさに特Aクラス
- 徳島・阿波山田錦:しっかりとした骨格と辛口傾向
- 北海道産山田錦:寒冷地ならではのキレの良さと透明感
こうした違いは、土壌、水はけ、気温差、栽培農家の工夫によって生まれます。
最後に
日本酒造りの骨格とも言える、酒米。その違いを感じながら飲み比べてみると、また新しい日本酒の魅力に気づくことは間違いありません。100を超える種類のある酒米ですが、今回、ご紹介した酒米は知っているときっと日本酒選びがさらに楽しくなるはずです。
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