年間で日本酒の消費量が最も増えるのが、新酒のシーズン。
この「新酒」が一年の最大の楽しみと、心待ちにしている日本酒ファンも多いかもしれません。
また、この新酒は新しい日本酒の銘柄にトライする最良の機会といえるほど、多くの酒蔵が力を入れて搾りたての日本酒を提供してくれています。
そこで今回は日本酒初心者から、日本酒通の方まで、絶対に外さない新酒におすすめの日本酒10選をご紹介させていただきます。
すぐに売り切れてしまう商品も多数ありますので、気になった商品がありましたら、ぜひ迷わず購入して新しい味わいを堪能してください。
新酒の定義
しっかりした定義をお伝えすると、酒造年度内(一般的には7月1日から翌年の6月30日まで)に搾られた日本酒を指します。
ただ、一般的な「新酒」のイメージには、搾りたての日本酒ということもあるように、秋に穫れた新米で仕込み、11月〜翌年2月ごろにかけてに出荷される日本酒、という意味合いで捉えていただいて基本的には問題ありません。
火入れをしていない生酒も多く造られることもあり、「新酒=フレッシュなお酒」としても定着しています。
新酒の選び方、飲み方、保存方法
新酒の中にも様々な種類がありますが、新酒の注目していただきたいポイントについて簡単にご紹介してきます。
新酒の選び方
まず、生か火入れかは要チェック。この時期しか味わえない生酒も多くあるため、出来立ての味わい・香りを楽しむために生のお酒を試してみるのがおすすめです。ただし、「作」のように大人気銘柄でも生酒を生産しない蔵もあるため、ラベルや商品説明を確認しておきましょう。
また、「にごり」や「おりがらみ」が楽しめるのも新酒のシーズンならでは。これらのお酒は普段は濾過されることが多いオリ(お米のかけらなどの細かな固形物)をあえて残すことで、旨みやお米の質感をあえて残した日本酒です。
爽やかな発泡感を楽しめるものも多く、口当たりがよく飲みやすいため、ついつい杯が進んでしまう方も多くいるのではないでしょうか。
新酒の飲み方や保存方法
フレッシュさを楽しみたい場合には、早めに飲み切るのがおすすめです。特に生酒の場合は、火入れの商品と比べて、温度による味わいの変化や酸化の影響を受けやすいため、縦置きでしっかりと冷蔵保管してください。
一方で、開けたては若々しい味わいも、日を追うごとに丸みをおびたり、旨みが色濃くなるなど、新酒は味わいの変化が大きいため、開けてすぐにちょっと苦手だなと感じた場合も、少し日をおいてから飲んでみると驚くほど好みの味に仕上がっていることもあるほどです。
ぜひそんな味わいの変化にも着目して楽しんでみてください。
新酒でおすすめの日本酒10選
山和星(やまわぼし) 純米大吟醸 おりがらみ生
宮城県大崎市の新澤醸造店と、加美町の山和酒造店さんがコラボして造られるのが「山和星 純米大吟醸」。
2019年に、百貨店「藤崎」の創業200周年を記念して初めて醸されてから、藤崎の初売り商品として毎年造られている限定酒です。
瑞々しい巨峰のような艶っぽい香りと、軽快で透明感のある綺麗な口当たり。完熟したパインを思わせるフレッシュな味わいに、優しい甘さと心地よい酸味が一体となりパッと消える余韻をお楽しみください。
作(ざく) 純米大吟醸 新酒
生酒を一切出荷しない「作」の蔵元・清水清三郎商店ですが、高度な技術力の火入れを行うことで、フレッシュさ抜群の新酒を見事に造り出しています。
プロですら、「これが火入れなのか」と疑ってしまうような初々しさを保ちながら、フルーツの様なさわやかな香りとすっきりとした口当たり、上品な甘さを堪能できる一品です。
山の井 白 おりがらみ 生
おりがらみの生酒で、マスカットのような爽やかな香りから、スムーズなアタック、すっきりとしたシャープな味わいとともに広がるジューシーな甘みが心地よく、どこまでも広がる地平線のような解放感にひたれる商品。
望 純米吟醸 夢ささら 生原酒
2018年に新しく品種登録された栃木県産の酒米である「夢ささら」の55%精米を使い、16度台に仕上げたモダンライトの新米新酒。
華やかなパイナップル系の香りと優しい口当たり、しぼりたてのフレッシュさが駆け抜ける生原酒。
賀茂金秀 純米しぼりたて生
醸造技術の高さで上品な甘みと口当たりの良さ、優しい酸味とキレを表現した逸品に仕上がっています。
すっきりとして細身のボディが心地いい理由の一つは、その粕歩合の高さ。お酒を搾ったときに酒粕になる割合が高いため、雑味がなく綺麗な余韻も楽しめる賀茂金秀らしさが前面に出ています。
東洋美人 限定純米吟醸 醇道一途 直汲み生
東洋美人のラインナップの中で、最もフレッシュなのがこの直汲み。
搾ったあとにすぐに瓶詰めすることで若々しい香りと透明感のある甘みの中に、若干のガス感を感じるような味わいに仕上がっています。
しっかりと冷やしてワイングラスに注ぐと、その華やかな吟醸香も楽しめる本商品は、ぜひ一度白身魚のカルパッチョと合わせてお楽しみください。
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寒紅梅 純米 しぼりたて 生原酒 FUYU 白くまラベル
グラスに注ぐと広がるリンゴのような香りが爽やかで、口に含んだ瞬間にほのかに舌を刺激するガス感と、青々としたもぎたての果実の様なフレッシュさが特徴的でたまらない一本。
寒紅梅の季節商品は、動物シリーズになっていますが、冬の新酒は白くまのラベルがとても可愛く、冷蔵庫に入れているだけでもウキウキしてしまうはず。
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七田 純米吟醸 五百万石 無濾過生
「七田」の真骨頂といえば、なんといっても「お米の旨味」。五百万石を50%まで磨いていても、お米の旨味をしっかりと感じることができ、瑞々しい口当たりと無濾過ならではの荒々しさが炸裂しています。しかも、後味はキレがよく、バランスが秀逸。
のどぐろやキンメダイなどの魚の塩焼きなどと合わせてお楽しみください。
三井の寿 NeVe(ネーベ) 冬純米 活性にごり
福岡県産の夢一献の60%精米、14度台のアルコール度数のクラシックのニュアンスもあるモダンミディアム。
とても強い発泡感のある商品なので、時間をかけてゆっくり丁寧に開けてください。可愛らしい見た目とは相反して、かなりドライな味わいで、爽快でキレのいい味わいが特長的です。イベントでは乾杯にもぴったりなので、ぜひお試しください。
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竹雀 純米 超辛口 うすにごり 生
五百万石の60%精米、18度台のアルコール度数のクラシックフル。
クラシックフルと聞くと飲みづらいように思われるかもしれませんが、この竹雀の新酒は、味わいはしっかりとしていますが、後味はズバっと切れてくれるので、辛口好きの方にはぜひ飲んでもらいたい一本です。鶏の照り焼きや、きんぴらごぼうなどのしっかりとした味わいの料理を一刀両断してくれます。
最後に
しぼりたてが美味しすぎてついつい飲みすぎてしまう危険は避けられませんが、どれも最高の商品ですので、お好みに合わせてトライしてみてください。
また当店・零下では、最も日本酒をフレッシュに保つことができるマイナス5℃で、新酒を管理して販売しております。できたて、造り立ての味をお届けしますので、日本酒をご自宅で楽しむ際は、ぜひこちらのラインナップを参考に選んでみていただけたら非常に嬉しいです。